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苦肉の計
- 故事成語
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「苦肉の計」ですが、
「苦肉の策」という表現のほうが一般的かもしれません。
三国志では、赤壁の戦いに見ることができます。
しかし、普通使われるような「苦し紛れの方策」のことではありません。
中原を領有した曹操と、江東に割拠する孫権が雌雄を決した赤壁の戦い。
曹操と、孫権軍を指揮する周瑜は、長江の両岸に別れて対峙した。
兵力の上で劣る孫権軍。
そこで、古参の将・黄蓋が我が身を張った計略を進言する。
その計略とは、火計である。
曹操軍の戦艦は密集した状態にあるのを観察した上で、
火を掛ければ一気に燃え広がり大きな被害を与えられるというものだった。
そして、その火を付ける役目を自らかって出たのである。
黄蓋は、曹操へ降服したいという旨の密書を送る。
降服すると見せかけて敵艦に接近し、一気に火をつけようという作戦である。
しかし、知略に長けた曹操を騙すにはもっと信憑性が必要だ・・・
そう考えた黄蓋は、周瑜と一芝居打つ。
二人は、陣営内の衆人の前で派手に喧嘩をしてみせて、
周瑜は軍紀を乱した刑罰として、黄蓋を鞭で打ち据える・・・
まさかこれが演技だとは思わぬ武将たちは慌てて周瑜を止めに入る。
この瞬間、気鋭の若い指揮官と先々代から仕える古参の将の対立構造が
見事に演出されたのである。
まさに自らの肉体を苦しめ、味方をも欺く入念な計略である。
敵陣営の様子を間者から聞いていた曹操は、黄蓋の偽投降を見破れなかった。
密書の通りに降服しにやって来た黄蓋だったが、
その船の様子のおかしさに気づいた時には既に遅し。
薪や草木を積んだ足の早い船は、火炎を噴いて曹操の戦艦に突進した。
火は船を焼き尽くすばかりに留まらず、岸辺の陣営まで飛び火した。
曹操軍の損害は激しく、兵は南郡まで後退したのである。
黄蓋が偽投降して火を付けたことは正史に見えますが、
身を張って周瑜と芝居をしたことは演義のエピソードを取って構成しました。
苦し紛れだなんてとんでもない、大変な覚悟と度胸の要る計略です。
このような古代中国人の活躍は、
時にかっこいいを通り越して、「ここまでやるか」とさえ思う峻烈さがあります。
乱世だからでしょうか、平和に慣れきった我々には想像を絶するほどの執念です。
信憑性を持たせるには、自身の目(この場合、間者)で確かめさせる。
敵を欺くにはまず味方から。
「敵に勝つためには」という目的に対して悲壮なまでに考え抜いた彼らから、
いくつも教訓を得られそうです。

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- [2007/01/20 23:15]
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コメント
命がけゆえ
私は三国志を読んでからずっと「苦肉」は苦し紛れでなく、肉体を傷つけ苦しめることと解釈してました(苦笑)
ここまでやるのは一つ間違えれば死ぬしかないという必死さなんでしょうね。
本当に古代の人のやり方には脱帽することが多いです。
やれと言われたら絶対に嫌なものばかりですが・・・。
必死
テレビなどで稀にこの言葉を耳にするのですが、
どうも意味が通じないと思って調べたことがあります。
ほんと、やれと言われても無理です。
やなねば敗れる。
そして自分がやらねば、未来は勝ち取れないということなんでしょう。
誤解
「苦し紛れ」っていう
意味だったなんて
初めて知りました。
命懸けの策を
よくもまぁ、辞典は
ヌケヌケと表記したものです。
どこで意味の転化が起こったんでしょうね。
故事成語って本来の意味合いとは違っていることがままありますよね。
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